研究課題/領域番号 |
05452189
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
堀池 靖浩 広島大学, 工学部, 教授 (20209274)
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研究分担者 |
坂上 弘之 広島大学, 工学部, 助手 (50221263)
新宮原 正三 広島大学, 工学部, 助教授 (10231367)
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キーワード | デジタルエッチング / 自己停止反応 / 極微細Siドット / 低次元伝導特性 |
研究概要 |
Siデジタルエッチングにおける自己停止反応を探求すべくF(フッ素)ラジカルをSi(100)表面に照射し、その反応を赤外反射吸収分光で研究した。まず、表面反応層の形成過程を基板温度を変えて調べたが、200Kでも徐々にではあるがエッチング反応が進行した。次に、140KでFラジカルを照射したところ、F/Si反応の進行が見られず、ラジカルの凝縮層と思われる吸収のみが観測された。そして、この表面を加熱していくと、200Kでこの層は気化し、でSiF_2,SiF_1の吸収が現れ、常温程度まではこれらの吸収強度は変化しなかった。このことは、FがSiの最上層原子とのみ反応し、F/Si系で自己停止反応が初めて見つけ出されたことを示唆しており、このSiF_2/SiF_1終端層の層毎の除去で、Siの原子層デジタルエッチングの実現が期待される。 微細PN接合作成においては、Si基板を垂直エッチングで作成した微細柱を利用した縦方向PN接合と、SOI基板に形成した細線を利用した横方向PN接合の二通りで比較検討した。いずれも電子ビーム描画とドライエッチングにより最小直径100nm程度のパターンを形成した後、さらに熱酸化によりシリコンを細線化した。縦方向PN接合にて透過電子顕微鏡観察により酸化及びイオン注入による損傷評価を行ったところ、熱酸化による損傷は特になく、また高濃度にAsを注入したSi柱において直径20nm以下では転位等の損傷が熱処理後に回復することが明らかとなった。0.1μm径縦方向PN接合にて選択CVDによりAl電極を形成し、これに金を表面コートしたAFMカンチレバーをプローブとして室温で電気特性を測定し、良好な整流特性を得た。また横方向PN接合作成の前段階としてSi細線を作成し低温磁気抵抗測定を行ったところ、低次元伝導特性を確認した。
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