研究概要 |
カルコパイライト型三元化合物CuInSe_2は、光劣化の無い、高効率の薄膜太陽電池材料として注目を集め、光電変換効率も16.9%に達するなど最近目ざましい進歩がみられている。しかし課題も山積みしており、特にCuInSe_2そのものやその多結晶化プロセスに関する研究が不十分である。 以上の情況を考慮し、本年度は、CuInSe_2の成膜法として、Cu-InプレカーサのSe分圧下アニール法(報告例が殆ど無い)をとり上げ、Cu-Inプレカーサの作製条件(CuとInの蒸着時の基板温度、蒸着順序、基板材質など)およびプレカーサのアニール条件(アニール温度、Seの蒸気圧、Seソースの形態など)と、得られた膜の構造、配向性、異相の有無、粗成、光吸収係数、禁制帯幅、結晶粒径、基板への接着性との相関を、X線回析、分光測定、EPMA、SEMなどにより評価した。 その結果、【.encircled1.】光電変換効率を始めとする太陽電池特性に直接影響を及ぼす上記諸因子と、成膜条件との対応関係に関する数多くの基礎データを集積できた,【.encircled2.】特にCuInSe_2の化学量論組成の制御が重要であることを見い出した。またゾーンヒータ移動による成膜装置を製作した。
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