研究概要 |
LAPS(Light adressable potentiometric sensor)法を用いて味覚センサー,嗅覚センサーの開発研究所を行った.味覚センサーの研究では、高感度化、及び高速測定技術を開発した.味覚センサーの開発にあたっては,5基本味を区別して高感度な応答を示すことが要求される.しかし従来のセンサーでは、甘味に対する感度が低いことが問題であった.本研究では,測定技術とセンサー感応膜の固定化技術を検討し、高感度LAPS法の開発を行い甘味物質でも測定できるシステムを開発した.まず昨年度の研究で提案した作動測定法を発展させ、オフセット成分を相殺して基本波成分のみをとり出す手法を開発した.これによりS/N比が1桁程度向上した.次に新しい測定法として、位相差検出法を提案した.この手法は、電気的に中性な物質でも測定可能であり、甘味物質やタンパクなどの測定に有利である.センサー感応膜に関しては、脂質混合膜を用いることで、脂質膜の構造を制御することが出来、高感度化が出来ることを明らかにした.LAPSセンサーでは,データの数が多くなるため,リアルタイムでの測定のためには,高速測定手法の開発が必要である.そのために,微小LEDを網目状に配列し電気的に二次元情報を読みだす方法を開発した.また情報処理手法としてウエーブレット変換とニューロ演算を組み合わせる手法を試み,高速な情報処理手法として有望であることを示した.次に嗅覚センサーの研究では,集積化センサーとして有利なサスペンデッド(浮遊)構造のガスセンサーを開発した.浮遊型ゲートの固定化にはガラスとシリコンの陽極結合を用いて低温作製技術を開発した.また,電圧モードの測定手法を提案し高インーダンス系での高感度測定法を確立した.
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