研究分担者 |
大〓 靖匡 九州大学, 工学部, 助手 (20243892)
川根 祐二 九州大学, 工学部, 助手 (30214662)
栖原 淑郎 九州大学, 工学部, 助手 (80187799)
香田 徹 九州大学, 工学部, 教授 (20038102)
古賀 利郎 九州大学, 工学部, 教授 (00037706)
|
研究概要 |
当初計画の第一に挙げていた項目である、従来個別に論じられていたニューラルネットワークの連想記憶回路としての構成に関する諸結果を、連想記憶容量、偽の記憶の有無、引力圏、学習可能性等について、回路理論的見地から整理を行い、“非線形理論とその応用ワークショップ"において(招待)発表を行った。 次に、ニューラル回路の結合行列A=〔A_<ij>〕が完全対称行列、すなわちA_<ii>=a,A_<ij>=b(i【double plus】j)(i,j=1,2,・・・n)の場合に対して、平衡点集合の特徴付けを行い、それを基に平衡点集合の簡潔な表現法を示し、その表現法に従って与えられた所望の平衡点集合だけが実際に平衡点として実現できるための必要十分条件を与え、これを“回路理論と設計に関するヨーロッパ会議(ECCTD'93)"において発表した。また、“1993 Joint Technical Conference on Circuits/Systems,Computers,and Communications"においては、上記のAが3項行列の場合、すなわち、A_<ii>=a,A_<i,i+1>=b,A_<i,i+2>=c(i=1,2,・・・,n)(ただし、添字はmod nで考える)の場合に対して、a,b,cの値と平衡点集合との関係を明らかにした。 相互結合形回路における平衡点に関する議論は一般的には極めて困難である。従って、この手始めとして、上記のような結合係数の場合について検討したが、n個のユニットが1次元的に環状に配置されたニューラルネットワークもまた基本的回路の一つである。本年の研究としては、実際の神経回路の実験事実を参考にして、Aの結合係数の大きさが距離と共に小さくなるような場合に対し、上記と同様な平衡点集合の特徴付けを行い、一方向の結合が4以内の場合には、平衡点集合の最大個数が8個以下と極めて少ないことを明らかにし、これを“1993 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications"において発表した。
|