研究概要 |
光ファイバーへの超音波伝送手法の基礎的研究として、本年度は次のような項目に注目し、それぞれ以下述べるような研究成果を得ることができた。 [具体的な検討項目]: 1.光ファイバーへの超音波伝送手法の検討(超音波ファイバーの構成) 2.超音波の伝搬様子の解明 〔方法ならびに結果]: 1.について:(1),光ファイバーのシールド被膜をはぎ、その両端を2枚の圧電セラミックス振動子でサンド・ウィッチした。 (2),圧電セラミックスとしては、30mm^φ x 1.0mmの円板を使用し、電気的に励振した。すなわち、その共振特性を利用し、ファイバーに縦波ならびに屈曲波の伝搬を試みた。 (3),その結果、縦波、屈曲波とも比較的容易に送出・抽出できることがたしかめられた。 (4),但し、超音波のもっとも効率よく伝搬できる周波数は、共振周波数点ではなく、それよりも少し高い反共振点近傍であることが分った。 (5),すなわち、超音波ファイバーは容易に構成できることが明らかになった。 2.について:(6),超音波は、ファイバーを2つ折りにしても屈曲波の減衰はほとんど変化しない。 (7),ファイバーを捩ると多少減衰は増加する。 (8),しかし、屈曲波の音速は380(m/sec)と非常に遅い。 (9),今後、縦波での測定、超音波の伝搬はシールド被膜かファイバー芯か等の検討が重要である。また、位相変化も検討が必要である。 [次年度への展開]: 超音波ファイバーは医療用探触子ばかりでなく、広く電子センサ・デバイスへの展開が大きいこと、実感された。
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