研究概要 |
可撓性のある細いファイバーへの超音波伝送手法の基礎的研究として、本年度は次のような項目に注目し、それぞれ以下述べるような研究成果を得ることができた。 [具体的な検討項目]:1.光ファイバーに代わるカーボン・ファイバーへの超音波伝送手法の検討 2.超音波ファイバーの電子デバイスへの応用 [方法ならびに結果]: 1.について:(1),光ファイバーは線路が折れ易い、従って、実用化がしにくく、特に、被覆のない場合は人体への応用に適さない、並びに、圧電セラミックス・トランスドュサとの接合がしにくい、などの欠点が判明した。 (2),これに代わる超音波ファイバーとして、カーボン・ファイバーの適用の好ましいことを明らかにした。即ち、新しい超音波ファイバーを開発することが出来た。 (3),カーボン・ファイバーは、可撓性が大きく、丈夫で切れにくい、人体に安全、被覆を必要としない、高温での使用が可能、などの特長を有していることが判った。 (4),カーボン・ファイバーは、線状だけでなく帯状構成も容易で、圧電セラミックスとの接合がより容易で、減衰も比較的小さい、ことを確かめた。縦波が伝搬しやすい。 2.について:(5),カーボン・ファイバー線路は、むしろ新しい電子デバイスの開発に応用することの好ましいことを確かめた。その一例として、 (6),超音波ファイバー・ジャイロを試作し、特性を測定した。その結果、回転角度の入力に対して、位相変化の生ずることを明らかにした。今後の改良が期待される。 (7),その他、各種の応用を考案し実験も試みた。その中で、高温センサーや位置検出センサーとしての幅広い応用の可能性を示唆することができた。
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