研究課題/領域番号 |
05452214
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
保立 和夫 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (60126159)
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研究分担者 |
山下 真司 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (40239968)
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キーワード | 光ファイバジャイロ / 光ファイバブリルアンリングレーザジャイロ / 光ファイバセンサ / ナビゲーション / ブリルアン散乱 / ファイバレーザ |
研究概要 |
第3世代の光ファイバジャイロと言える[能動型光ファイバジャイロ]の構成要素として最も重要である〈光ファイバブリルアンリングレーザ〉の発振を安定化する手法を確立し、これを用いて実際にジャイロ系を構成し、〈低回転入力時に全く感度がなくなる現象(ロックイン現象)〉の解除法として本グループが発明して、既に受動型共振方式光ファイバジャイロの実験系によりその原理確認に成功している手法の有効性を実証することが、本研究の目的である。上記研究目的を達成するために、本年度は以下のような研究を進めた。 先ず、光ファイバ共振器中で生じる誘導ブリルアン散乱によりレーザー発振が得られる過程を共振器中での偏波変動を厳密に扱いつつ理論的に明確化した。偏波維持光ファイバの偏波軸を90度捩って接続したリング共振器を解析し、安定発振にとって有効であることを示した。また、絶対単一偏波光ファイバにより構成した共振器も解析し、やはり優れた特性を有することを確認した。続いて、光ファイバブリルアンリングレーザの実験系を構成した。ここでは、偏波維持光ファイバの偏波軸を90度捩って接続したリング共振器を採用している。既に誘導ブリルアン散乱による間欠的なレーザー発振は観測してきたが、ジャイロを構成するためには安定発振を得る必要がある。ここで用いている構成でも、温度変動によりレーザのモードが変化し発振周波数が変り得る。さらにこの時偏波も、互いに直交した2つの偏波状態間で入れ替わる。この問題は、ポンプ光を共振器の共振周波数に一致させつつ、2つ存在するブリルアン発振可能な特別な偏波状態の内の一方のみをゲインの最大点にロックするという本グループが考案した手法により解決できる。本年度末現在、実験系にこの手法を盛り込む作業を進めている。
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