研究概要 |
本研究計画は代表者によって導入された新しい関数空間モデルに基づいてサンプル値制御系の系統的な研究を推進することを目的としている.ここで強調するべきところは,この新しいモデルは設計段階においてサンプル点間の応答をモデルに持っている点であり,古典的取扱いと大きく異なっている所である.その目的とするところは 1.周波数領域における解析/設計手法 2.周波数応答の導入と計算 3.H^∞設計法 4.その計算のためのアルゴリズム などである. 研究期間中に達成された成果は 1.新しい周波数応答の概念 2.インパルス変調公式との関係 3.その有限次元固有値問題としての特徴付け 4.H^∞制御問題における新しい解 5.それらの計算アルゴリズム 6.CADパッケージへの組み込み などであり,当初予定を十分に達成したものと考えている. また信号処理への応用にも一定の見通しを得るに至っている.本研究と信号処理との境界分野は今後非常に実り多い研究対象となると考えられる.
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