研究概要 |
1)20mWHe‐Neレーザの拡大平行光束中のレンズの前焦点面に入った単純な球,三角,四角,楕円等の形状で寸法が数ミクロンから数十ミクロンまでの粒子群を形状または寸法ごとにその空間分布を同時に実時間で分離並列表示可能な多重マッチトフィルタ法を確立した。この光学識別システムをつくり、カメラで撮り込んだ粒子映像を直接、形状・寸法別に識別する光ニューロ識別眼を備えた実験装置を試作した結果、この光ニューロ識別眼システムの有効性と可能性が明らかになった。 2)上記のシステムで重要な役割を果す多重マッチトフィルタを迅速簡便に形成する光導電プラスチックスの開発で、現像蒸気として無害なシクトヘキサンを用いて光回拆効率が25%以上の高性能のものが開発された. 3)数ミクロンの微小な粒子の形状・寸法を光回拆パターンから識別するために、上記のシステムを光学顕微鏡に組込んだとき、微小な粒子からの回拆パターンが明確に捉え得るか否かの検討がなされた。その結果、明視野では数個の同一形状・寸法粒子からの回拆パターンは見えるが、1個ずつの粒子からの回拆パターンは回拆光が微弱なたためとらえられない。これに対しては暗視野顕微鏡法を用いることが必要であることが明らかになった。 4)数ミクロン以上のポリスチレン粒子はレーザ光照射方向に光圧力により動くものが多い。しかし0.1ミクロン程度以下の微粒子は光照射方向と逆進する粒子がほとんどであることが実験的に認められた。 5)レーザ・マニピュレート法では照射レーザ光束の光強度分布はガウス分布をしていることが必要であり、重要であることが理論計算でも、実験的にも確認された。 6)研究計画に従って、購入YAGレーザによる光走査トラップ光学系も顕微鏡に組込まれ、粒子捕捉が行われた。
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