研究概要 |
本研究を2つの面から行った (1)並列板から構成される部材に発生する空力音 近年,景観上の理由から高欄などに薄い平板を並列したものがしばしば用いられる.ここではこれを対象に,その空力音を実験的に風洞を用いて調べた.その結果,風がある角度から入射すると高い音圧レベルの純音が発生することが明らかとなった.平板の板厚,平板の間隔,風の入射角,風速を変えた実験を系統的に行ない,またあわせて,流れの可視化を行った.その結果,音の発生源は平板の前縁の1つのエッジではくりした流れが,他のエッジにぶつかることにあり,それが2枚の平板内の空間で増幅されて大きくなることが明らかとなった (2)渦励振の音響付加による制振効果 音の積極的利用法として,渦励振への制振効果を実験的に調べた.円柱弾性支持模型を風洞内に設置し,スピーカーによる音響を付加した.制振効果は加える音響の周波数,音圧レベルによって変わること,(2)音響の周波数は,円柱まわりのはくり遷移波の周波数にするとよいこと.などが明らかとなった.今回の実験では,比較的低レベルの音しか加えられなかったこともあり,制振効果がみられたのは,渦励振領域でも比較的小振幅の範囲に限定された.今後音圧レベルを上げて実験を行なう予定である
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