研究課題/領域番号 |
05452234
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
宮田 利雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (80010817)
|
研究分担者 |
ヴィロート ブンヤピンヨ 横浜国立大学, 工学部, 助手 (50251765)
風間 浩二 住友重機械工業(株), 研究員
山田 均 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (00143735)
|
キーワード | フラッター / 長大橋 / 吊橋 / 耐風設計 / 風洞試験 / フラッター解析 / モードコントロール |
研究概要 |
平成6年度末までに得られた成果は以下の通りである。 1.既往の長大橋梁の設計実例調査を実施し、設計の中に占める風の影響が、支間の長大化に伴って大きくなることを確認した。また、これら風の影響の中で、設計に直接影響する現象を特定するために、中央支間2,500m〜4,000mの試設計案を作成し、これらの案に対して、a)フラッター(非定常空気力に起因する空気力学的発散振動)解析、b)ガスト応答(自然風の乱れに起因する暴風時の耐荷力解析)解析およびc)座屈(風荷重に起因する変位増大現象)解析を行った。その結果として、既往の設計法の延長で試設計を行った、中央支間2、500mを超える超長大橋においては、フラッターに対する安定性が大幅に低下する。このフラッター現象を設計風速以上に高くするための諸方策が不可欠となることが明らかとなった。 2.フラッター解析に必要な橋梁断面の空気力特性を表わす非定常空気力係数の計測を行うために、本学土木工学教室所属の風洞施設で風洞試験を行った。風洞試験の計測には、本研究費で購入したレーザー変位計を使用した。空気力係数の同定には、カルマンフィルター手法を用いた。解析の結果、非定常空気力係数(1つの断面に対して12係数)は、自由振動法風洞試験により概ね良好な精度で同定することが可能となった。 3.フラッター特性の改善のために試設計案に構造的な対策を種々施し、改良試設計案を作成した。改良試設計案に対するフラッター解析の結果、1)既往の耐風安定化対策の考え方に基づく剛性増により振動数を向上させる耐風安定化効果は、より経済性が厳しく追及される超長大吊橋では効果が低下すること、2)超長大橋においては風作用下の振動モード形状を積極的に制御することが効果的な耐風安定化対策につながること、3)前述の振動モードの制御の評価には、本研究で導いた'空気力が構造物に為す仕事'がよい指標となることが明らかになった。さらに、幾つかの試設計案に対し本研究における設計法の検証を行い、その有効性を確認した。
|