研究概要 |
前年度の基礎研究の成果に基づき、本年度は、解探索過程の更なる効率化と実際の設計に合った設計手法の提示の2点に主眼を置き、研究を行った。 最適化手法は基本的には前年度と同様分枝限定法によるが、効果的に解探索を行うためには、無駄な探索を行わないように探索空間を縮小する必要がある。本年度の研究では、以下に挙げる手法を用いることにより、効果的に最適配置を求めることが可能となった。 1.複雑な制約条件式を線形式に緩和することにより、元の制約条件式のままでは適用できなかった限定操作を適用することができた(構造工学論文集Vol.4OBに登載)。 2.種々の試行計算の結果、本最適化問題に、分枝限定法の中の有効な限定操作である優越テストが適用可能であることが明らかになり、その適用を行った(東海支部論文報告集,第33号)。 3.壁配置群をいくつかのグループに分類し、壁配置個々についてではなく、壁配置のグループ(の代表)に対し制約条件等のチェックを行うことにした(日本建築学会学術講演梗概集B、構造工学論文集Vol.41Bに登載)。 一方、実際の設計に合った設計手法の提示に関しては、 1.配置できる耐震壁を複数の厚さの中から選択できるようにした。 2.耐震壁のD値を、境界梁の効果も考慮して、より正確に評価した。 ことにより、これまでより正確な設計が可能となった。
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