研究課題/領域番号 |
05452253
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
石田 修三 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90027889)
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研究分担者 |
辻 聖晃 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (00243121)
森迫 清貴 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (90127168)
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キーワード | 鋼構造 / 立体骨組 / 臨界挙動 / 横座屈挙動 / 捩れ / 梁-柱有限要素 / 増分摂動法 / 3次元有限回転 |
研究概要 |
構造物の安定性を考えるとき、最も明確な基準は、その構造物の各種外乱下での力学的臨界状態である。本研究の目的は、任意形状弾塑性立体鋼骨組の様々な臨界挙動を確実に捉えることのできる高精度解析法の基礎式を誘導し、そのプログラム・コードを開発することである。基礎式の誘導では、3次元有限回転を考慮し、増分摂動法を導入している。増分摂動法は、既存の増分型弾塑性解析法における材料構成則の扱いの不明瞭さを払拭し、特に、臨界挙動の解析制御上問題であった増分刻み幅の設定を自動化することを可能にする。本年度は、サンブナン捩れを仮定した梁-柱有限要素による弾性骨組解析プログラムをほぼ完成し、剛接ラチスシェル単位骨組の臨界挙動解析を実行した。また、反り関数を用いた梁-柱有限要素による弾性解析プログラムの開発も行ない、単材の横座屈挙動の解析等を行なっている。また、単純分岐点からの分岐後釣り合い経路の解析技法の提案を行なった。この技法は、非対称分岐の場合には近似となるが、分岐点直後の増分刻み幅を小さくとることによって十分な精度の解析が可能となり、効果的な解析技法である。現在、弾塑性部解析用の断面分割梁-柱有限要素による解析プログラムとの結合について検討中である。なお、予想されたことであるが、平面問題に比して立体問題では、変数の数が格段に多くなる。これに伴い、摂動展開も多変数関数のテイラー展開を含み極めて煩雑になる。これらの展開には、数式処理ソフトウェアの使用が効果的であったが、さらに、何らかの工夫によって少しでも展開を単純化する必要がある。また、上記した分岐後釣り合い経路の解析技法は、これまでの解析では確かに効果的であるが、分岐点の探索ならびに分岐後経路の解析をより厳密に行なえるアルゴリズムも用意しておく必要がある。
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