研究課題/領域番号 |
05452257
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
西川 孝夫 東京都立大学, 工学部, 教授 (30087275)
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研究分担者 |
北村 一繁 東京都立大学, 工学部, 助手 (30220437)
北山 和宏 東京都立大学, 工学部, 助教授 (70204922)
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キーワード | 鉄筋コンクリート / 骨組 / 崩壊モード / 付着 / 地震応答解析 / 塑性ヒンジ / 静的実験 / 柱・梁接合部 |
研究概要 |
鉄筋コンクリート(RC)骨組の動的な崩壊モードを制御するためには、設定した位置に確実に塑性ヒンジの発生を保証することと、曲げ降伏以外の脆性的な破壊(せん断破壊や付着割裂破壊)を防止することが重要である。この目的のために、当初は実験によって直接動的な影響を検討することを計画したが、非線形地震応答解析のほうが適していると判断した。本研究では鉄筋とコンクリートとの付着の劣化が崩壊モードを含む骨組の地震時挙動に与える影響を検討する。そのために、主筋の付着劣化が骨組の復元力特性に与える影響を静的実験によって調べ、これに基づき作成した塑性ヒンジの力学モデルを使用して骨組の地震応答解析を行なうこととした。始めに、鉄筋とコンクリートとのあいだの付着作用について調べるため、既住の引き抜き試験、片持ち梁形式の付着試験、梁・柱部材を対象とした曲げせん断加力による付着試験などのデータを収集し、付着割裂破壊のメカニズムや付着割裂強度の推定法についての知見を得た。梁降伏型RC骨組の付着問題は、梁主筋の柱・梁接合部内での付着劣化と梁部材中央での付着割裂破壊とが重要である。従来、この二つはそれぞれ別個に検討されてきたが、梁主筋は数スパンに渡って通しで配筋されるのが普通であり、接合部内でも梁部材中央でも自由に滑動できる。そこで十字形が二つ並んだ形状の骨組を対象として梁スパン、主筋径を変数として接合部内および梁部材中央での付着強度を検討した。その結果、梁部材中央で付着割裂破壊が発生すると判断される場合に接合部内でも付着劣化が発生することがあった。もし接合部内での付着劣化が先に生じれば、部材中央での付着割裂破壊は発生しないとも考えられ、この両者の相関を実験によって検討する必要が認識された。これを受けて骨組試験体および梁型試験体の設計を行なった。これと平行して、実験で使用する制御プログラムの開発と整備を行なった。
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