研究課題/領域番号 |
05452260
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
橘 秀樹 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80013225)
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研究分担者 |
伊勢 史郎 奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科, 助手 (20211732)
日高 新人 東京大学, 生産技術研究所, 教務職員 (30218721)
矢野 博夫 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (70114692)
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キーワード | アクティブ騒音制御 / 適応制御 / 騒音制御 / 遮音 / モード / 二次音源 / エラーセンサー / 音響インテンシティー |
研究概要 |
本研究は、建築物及びその周辺を対象として、アクティブ制御技術による騒音制御および音場制御の基本原理および応用の可能性を検討することを目的としている。 本年度は、建物の遮音性能の改善、室内音響特性(残響、定在波モード)の制御、建築設備機器の振動・騒音の低減などに関して、従来のパッシブ制御技術にアクティブ制御技術を組み合わせることによって、パッシブ制御のみによった場合の限界を超える音響調整・制御技術の開発を行った。 建物の遮音性能の改善では、壁に開口部(換気口を想定)を持つ1/5縮尺模型残響室から外部に放射する音を、開口部付近に配置した二次音源スピーカによって低減する実験を行い、開口部より放射される音のパワーの変化を音響インテンシティー法によって調べた。その結果、エラーセンサの配置と制御効果に関して多くの知見を得た。また、この検討では、ガラス窓を透過する騒音の制御方法についても実験的検討を行い、エラー検出の方法として、窓近傍の音圧よりも、振動を検出する方が有効であるなどの結果を得た。 室内音響特性に関する制御として、室内で低周波数域において生じる定在波現象によって起こる音響障害の抑制(モード制御)方法について残響室を用いた実大実験を行った。その結果、モードに一致した周波数を放射している一次音源(騒音源)についてはアクティブ制御によってその発生パワーを抑え込むことができることを確認した。また非モード周波数を発生している場合には、一次音源の発生パワーを抑制することはできないが、室内の一部分の音圧を低減する、あるいは二次音源の配置方法によっては室外への放射音に対しては低減できることなどの知見を得た。
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