研究課題/領域番号 |
05452262
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
片山 忠久 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (80017938)
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研究分担者 |
堤 純一郎 , 琉球大学・工学部九州大学, 助教授 (60192647)
塩月 義隆 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (40150487)
林 徹夫 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (40150502)
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キーワード | 乱流数値シミュレーション / 室内気流分布 / 通風 / 風洞模型実験 / 全圧損失係数 / 高層建物 / 後流域 / 風圧係数 |
研究概要 |
(1)粗メッシュの解を局所的な細分割メッシュの境界条件とする乱流数値シミュレーションのプログラムを作成し、間仕切りの位置が異なる6種類の単室模型の通風時における室内気流分布と通風量を計算し、風洞模型実験値と比較した。その結果i)室内気流分布および通風量ともに風洞模型実験値とよく一致する乱流数値シミュレーションのプログラムを作成することができた。ii)従来の計算法によって求まる通風量は、実際の値より20〜30%小さくなった。正しい通風量の計算には全圧損失を求める必要のあることを指摘した。iii)開口の面積が等しい間仕切りの全圧損失係数は、その位置によって大きく相違することを定量的に示した。 (2)建物模型周辺気流を3種類の風速計によって比較検討した。i)高層建物の後流域における平均風速に関し、タンデムプローブによる3成分ベクトル合成値がサーミスタ風速計による値と熱線Iプローブによる値との中間となった。ii)熱線Iプローブによって測定された乱流速度の値は、模型後流域や強風領域において、タンデムプローブによる水平方向2成分の値より小さくなった。 (3)高層建物の周辺に建つ低層住宅の壁面風圧を風洞模型実験によって調べた。i)高層建物建設前の規則的に配列された低層住宅の風圧係数は、その建ぺい率が大きくなるにしたがって0に漸近し、建ぺい率25%における換気量は独立住戸のそれの1/5に減少した。ii)高層建物が建設されると、それとの位置関係によって低層住宅の風圧係数は大きく変化し、特に、後流域では換気・通風量が0になる住戸も生じた。iii)高層建物周辺の地表面風圧係数の分布の勾配は、低層住宅の風上と風下壁面の風圧係数差とよく一致した。
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