研究課題/領域番号 |
05452294
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
玉置 維昭 三重大学, 工学部, 教授 (30023047)
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研究分担者 |
鈴木 実平 三重大学, 工学部, 助教授 (90111872)
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キーワード | 溶接熱影響部 / α→γ変態 / 急速加熱 / 超高速変態再現装置 / 1 1 / 4Cr-1 / 2Mo鋼 / 最高加熱速度 / オーステナイト |
研究概要 |
溶接熱影響部では、加熱時にきわめて急速なα→γ変態が起きるのであって、この急速な変態が溶接部の機械的性質に大きな影響を与える。本研究は(1)このα→γ変態過程を詳細に解明すること、および(2)変態に付随しておきる不純物元素の粒界偏析の発生機構を明らかにすること、を目的としている。本年度は1 1/4Cr-1/2Mo耐熱鋼を試験材として、(1)の項目を検討し、次の実験結果を得た。 (1)本年度に購入した超高速変態再現装置を用いて加熱実験を行い、最高到達温度1000〜1600Kにおいて1300〜2500K/Sの最高加熱速度を得た。このようなきわめて大きい加熱速度は本装置によりはじめて達成されたものである。 (2)この鋼のα→γ変態の開始温度(A_1変態点)および終了温度(A_3変態点)を測定した。その結果、両変態点は加熱速度の対数とともにほぼ直線的に上昇することが知られた。 (3)熱間圧延状態(フェライト(F)+パーライト(P)組織)の試験片を加熱した場合、オーステナイト(A)は一般的にF/F界面またはF/P界面に発生し、温度上昇とともに成長して塊状になる。しかし加熱速度が大きい場合(200K/s以上)には、FおよびPの内部においても、Aが発生して成長する。 (4)焼入れ状態および焼入れ・焼もどし状態の試験片を加熱した場合、前回の焼入れ時にオーステナイトの粒界であった場所(旧オーステナイト粒界)においてぷ新しいオーステナイト(A)の核が発生し、温度上昇とともに成長して塊状になる。またこれに遅れて焼入れ組織(マルテンサイト)のラス境界においても、Aの核が発生して成長する。
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