研究課題/領域番号 |
05452305
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西田 迪雄 九州大学, 工学部, 教授 (10025968)
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研究分担者 |
木原 尚 九州大学, 工学部, 助手 (60243911)
麻生 茂 九州大学, 工学部, 助教授 (40150495)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 再突入空気力学 / 再突入空力加熱 / 非平衡流 / 強い衝撃波 / 極超音速流 / 高温気体 / 数値解析 / スペース |
研究概要 |
我国が21世紀初頭に実用化を目指している宇宙往還機HOPEが、帰還時の大気圏突入の際に遭遇する最大の問題の一つは空力加熱である。再突入時の飛行マッハ数は高度70km以上では15以上になり、機首、翼前縁周りに生じる衝撃波の背後の空気温度は非常に高くなる。その結果、窒素、酸素分子の振動励起が生じるとともに、それらの分子の一部は解離、さらに電離へと進む。このような流れは、内部エネルギーモードに基づく温度が非平衡、かつ流れとともに化学反応が進行する熱力学的に非平衡な流れである。すなわち、種々の化学種からなる非平衡多温度混合気体の流れである。それ故、この流れにおける再突入空力加熱の評価は、 (1)熱的非平衡の効果:並進、振動、電子並進の各エネルギーモード間のエネルギー移動 (2)輻射効果:高温空気の化学反応において、輻射強度の大きいスペクトル線の同定。 (3)壁面条件の効果:壁面再結合に及ぼす壁面材の触媒性の効果、振動温度に対する壁面条件 を解明し、これらが流れ場に及ぼす効果を見積ることにより、初めて可能となる。本研究では上記3効果を含む高温空気の非平衡流れを、実験と数値計算を補完させながら解明し、空力加熱の評価へ結び付け、将来の我国の宇宙開発に宇宙流体力学の面から寄与することを目的としている。本研究は数値解析と実験の両方で行われた。すなわち、数値解析ではVSL法を用いて、鈍頭物体の粘性衝撃層の熱化学的非平衡流構造を解明するとともに、壁面の触媒性効果が空力加熱に及ぼす効果を明らかにした。また、強い衝撃波をピストン駆動型衝撃波管を用いて発生させ、衝撃波背後の高温気体からの輻射スペクトルの観測を行い、生成される化学種を特定した。さらに振動温度の壁面条件を理論解析より求めた。
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