研究課題/領域番号 |
05452320
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
菅原 勝彦 熊本大学, 工学部, 教授 (60109668)
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研究分担者 |
中山 智晴 熊本大学, 工学部, 助手 (70207950)
小池 克明 熊本大学, 工学部, 助手 (80205294)
尾原 祐三 熊本大学, 工学部, 助教授 (50135315)
金子 勝比古 熊本大学, 工学部, 助教授 (20128268)
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キーワード | 岩石 / 風化 / 強度劣化 / 破壊靱性 / 応力腐食 / 凍結融解 |
研究概要 |
岩石の風化や長期強度を考える上で、内在する節理やクラックの生成・進展条件の力学的解明が重要であり、とくに、応力場の測定と解析、応力腐食の定量的分析が不可欠である。また、自然環境下の温度変化、乾湿の繰り返しの影響を定量的に解明せねばならない。そこで、研究計画に従って各種の室内実験と現場実験を行い、岩石の物理的風化・劣化のメカニズムを分析するとともに、強度劣化速度を評価する方法等について検討した。まず、クラックの進展条件に関して、ISRMの標準法によって破壊靱性試験を実施し、ガラス質の安山岩等は等方性であるが、花崗岩などの多結晶体の破壊靱性は顕著な異方性を有することを見出した。これより花崗岩ではクラックの卓越方向に選択的に風化が進みやすいことを明らかにし、卓越方位の原位置調査方法として、弾性波速度を測定する方法が有望であることを示した。つぎに、応力腐食によるクラックの進展に関して、応力、ひずみ速度、温度、水蒸気圧の影響を実験的に分析した。必要な応力測定と応力解析の技術を開発するとともに、岩石の応力腐食指数が安山岩で31程度、花崗岩で62程度であることを明らかにした。さらに、凍結融解に伴う風化現象を実験的に検討し、凍結融解が急速に起こると放射型クラックが卓越するが、凍結融解の繰り返しが非常にゆっくり起こる場合、岩石は表面に平行な亀裂の成長によって表面から順次脱落することを見出した。その結果、天然の岩盤中では開口節理のような地質的不連続面に沿って物理的風化が選択的に進行し、不連続面の幅が拡大すること、そして、斜面風化を支配する地質的不連続面の抽出には画像解析が有用であること等を明らかにした。
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