研究課題/領域番号 |
05452321
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐道 健 京都大学, 農学部, 教授 (00026494)
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研究分担者 |
仲村 匡司 京都大学, 農学部, 助手 (10227936)
増田 稔 京都大学, 農学部, 助教授 (40027165)
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キーワード | 木材 / 木質部材 / 表面温度 / 熱挙動 / 繊維傾斜 / 色調 / 欠陥 / 比重 |
研究概要 |
木材・木質材料に何らかの熱刺激を与えたときに、応答として現われる熱挙動は、これらの材料表面における熱の吸収、伝達、また材料中における熱の伝導、拡散によって支配される。本年度は、このような木材・木質材料の熱挙動のうち、次の2点に注目した。 1.木材表面の温度上昇速度に影響を及ぼす色調および比重の効果:熱の吸収率に及ぼす木材・木質表面の材質の影響を知るために、 (1)比重、繊維傾斜が異なる試験体、および種々に着色した木材表面を白熱灯で加熱したときの温度上昇過程を赤外線放射温度計を用いて経時的に測定し、得られた温度分布画像を解析することによって、材料表面における熱の吸収率に影響を及ぼす繊維傾斜、比重、色調の影響を明らかにした。 (2)繊維傾斜および比重を説明変数とし、木材中の熱伝導率を予測するための回帰式を求めた。 (3)55種の比重および色調が異なる木材・木質材料表面を白熱灯で加熱したときの温度上昇過程を赤外線放射温度計を用いて経時的に測定し、表面温度の上昇速度が比重および明度の関数であることを明らかにした。 2.応力下における木質部材の熱挙動と欠陥部の検出:節、切り欠きなどの欠陥部が存在する実大材の繰り返し曲げ負荷試験を行ない、負荷過程における材面の温度上昇を赤外線放射温度計を用いて経時的に測定した。得られた温度分布画像を解析することによって、節および切り欠きから発生する割れの先端部分が健全部に比較して発熱が大きいことを明らかにした。この現象を利用すれば、破壊発生につながる欠陥部と、発生時の荷重を知ることができ、実大部材の安全設計に必要な基礎データを得ることができる。
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