研究課題/領域番号 |
05452324
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
天谷 孝夫 岐阜大学, 農学部, 教授 (80033265)
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研究分担者 |
西村 直正 岐阜大学, 農学部, 助手 (80180644)
松本 康夫 岐阜大学, 農学部, 教授 (30021728)
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キーワード | 木曽三川 / 低平地 / 輪中 / 農業集落排水施設 / 水質汚濁 |
研究概要 |
木曽三川の沖積作用により形成された豊かな濃尾平野における、都市部の無秩序な拡大を主因とする多くの問題の内、最も重要な水環境の悪化に対する農村側での取り組みとして期待される、農業集落排水施設の導入効果について研究を開始した。 先ず、木曽川下流地域における水質調査に関する公表資料の解析を行った結果、今回の検討対象地域内でもかなりの水質汚濁が確認された。従って、調査地区が下流地域全範囲に及べば、さらに多数の水質汚濁地域が確認されよう。しかし、現在水質関連のデータは意外に少なく、今回の検討においてもデータの収集にかなりの困難を生じた。よって、今後各地域における水質調査を補完的に行うと同時に、原因究明調査を行うことが必要である。さらに、汚濁地域の総合的な調査研究を行うことにより、水質汚濁の防止及び改善策を検討することも必要であろう。 水環境改善策の一つとして期待される農業集落排水事業であるが、今回の検討ではその効果を明確にするまでには至らなかった。しかし、農村集落からの生活排水が明らかに汚濁源として関与していることが分かり、何らかの排水処理施設が必要であることは明かである。農業集落排水施設には、農村住民の自主的な水環境管理面などの波及効果が期待されているが、今後住民の意識調査を行うことにより水環境に関する関心を高めたり、集排事業に対する期待度を知ることも大切なことである。水環境の保全と管理は、地方行政機関と地域住民が一体となって初めて確立されるものであるが、問題となる河川流域全体の地域が事業に着手していく必要がある。以上の観点を踏まえ、次年度は所期の研究目的を達成するよう、さらに検討を深める予定である。
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