昨年度は、本調査地区の野首ダム施工地点、および集水可能な流域を踏査しながら、渓流取水工を施工するために最適な個所36地点を決定した。そして、各渓流施工地点での地形、形状、地質、植生等を調査・測量して、渓流取水工のタイプや寸法諸元及び計画取水量を決定した。 この結果をもとに今年度は、本島に隣接する地区での過去21年間の降雨量データと干天日数、粗用水量、有効雨量の4項目の気象データをもとに、野崎島での降雨量を算定し、水収支計算を行いダム必要貯水容量を検討し、計画基準年を昭和51年度に決定した。また、野崎島での昭和51年度の日雨量年表を作成した。 つぎに、昭和51年度の降雨に対する表面流出量算定するために、野崎島東岸部に雨量計を設置し、また、無降雨時でも流水が観測される渓流5カ所に自記水位計付きの三角堰を有する量水槽を設置した。また、量水槽を設置していない箇所については月に1〜2回の割合でメスシリンダーとストップウオッチにて実測を行った。 しかし、今年度は気象観測史上最小の降雨量が記録され、降雨が生じても土壌含水量の補給に止まり、表面流出量はあまり観測されなかった。 この結果、今年度は全く資料が得られず、来年度も調査を継続して実施せざるを得なくなった。
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