研究課題/領域番号 |
05452334
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研究機関 | 奥羽大学 |
研究代表者 |
野口 八九重 奥羽大学, 歯学部, 教授 (80083434)
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研究分担者 |
長山 克也 奥羽大学, 歯学部, 教授 (40105630)
増原 英一 奥羽大学, 歯学部, 客員教授 (00013772)
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キーワード | チタン・ジルコニウム合金 / 鋳造精度 / 鋳造性 / 埋没材 / 加熱膨張 |
研究概要 |
鋳造性)加圧吸引型鋳造機を使用した場合は鋳込み率に及ぼす埋没材の通気性の影響が示唆されたが、遠心型鋳造機を使用した場合は埋没材の通気性が鋳込み率に及ぼす影響は認められなかった。これは、加圧吸引型に比べ遠心型鋳造機の鋳造圧が大きいため通気性が悪くても十分な鋳込み圧が作用したためと、鋳型内の排気現象が加圧吸引型と遠心型とでは違いがあることによるものと考えられた。また、Ti-Zr合金の鋳造性は同じ条件でのTiの鋳造性と比較した場合、いずれもやや劣る傾向が認められた。これはTi-Zr合金とTiとの粘性や表面張力、埋没材との摩擦係数の違いなどが影響しているものと考えられる。 鋳造精度)スピネル系埋没材を標準混液比で用いたときの鋳造精度は平均185μm、試作マグネシア系埋没材を混水比0.2で用いたときの鋳造精度は平均560μmとなり、臨床応用できるだけの鋳造精度は得られなかった。また、試作埋没材を用いたときの鋳造精度は平均値が大きいだけでなく測定値にもバラツキが大きかった。従って試作埋没材は更なる改良が必要であると判断された。一方、スピネル系埋没材を標準混液比で練和し、900℃での係留時間を90分に延長したときの鋳造精度は平均147μmとなり幾分精度の改善が見られたが、まだ臨床応用には不十分な精度であった。そこで混液比を0.13と小さくしその他の条件を標準マニュアルと同じにしたときの鋳造精度は平均46μm、混液比を0.13と小さくしさらに900℃での係留時間を90分に延長したときの鋳造精度は平均45μmとなり、十分臨床応用できる鋳造精度が得られた。 これらの測定値を埋没材の膨張曲線から見てみると精度のよいTi-Zr合金鋳造体を作製するためには、鋳造時の鋳型の膨張量は少なくとも約0.6%は必要であることが示唆された。
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