研究課題/領域番号 |
05452339
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
土井 正 大阪市立大学, 生活科学部, 助手 (70137181)
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研究分担者 |
綿貫 茂喜 大阪市立大学, 生活科学部, 講師 (00158677)
宮野 道雄 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (00183640)
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キーワード | 衝撃加速度 / 非行衝撃 / 高齢者 / フローリング / 衝撃吸収 / 歩行感覚 / 畳 / 内装床材 |
研究概要 |
本年度導入された多用途テレメータおよびFFTアナライザーにより、歩行実験時の心理的負担(身体中に電気コードを取り付けられるといった)が、とりわけ高齢者において著しく軽減され、自然な歩行状態と主観評価が確保できた。歩行実験による、身体各部位の衝撃加速度の測定とビデオによる歩行姿勢の検討から次の知見を得た。 1.歩行速度、歩幅、関節部の運動量については青年の方が高齢者より大きく、そのため歩行によって生じた踵部分の衝撃加速度はいずれの床材質でも青年の方が高齢者よりも大きなものであった。歩行動作が緩かさで、また、すり足に近い歩行姿勢によるため、高齢者の歩行衝撃は床材質によって有意な差は認められなかった。 2.歩行による加速度波形は歩行動作による加速度と床反力による加速度が合成されたものである。加速度波形のFFT解析によって、歩行動作によるものと衝撃力によるものを分離することができ、50Hz以下の成分が歩行動作によるものであった。 3.〜150Hzと50〜150Hzのパワースペクトル値を積分し、その比を衝撃係数と定義した。この値が大きいほど高周波成分すなわち床反力による衝撃力が大きいことを意味する。踵での衝撃力の絶対値は小さいものの、高齢者の衝撃係数は踝や膝部分で青年より大きい。これは、歩行系の関節部によって衝撃を十分吸収できないことを意味しており、床材質によっては膝、腰椎部で障害が発生する恐れがある。 4.床遮音性能の高いL45では踵部分の衝撃係数が小さく、衝撃緩衝力があるといえるが、その他の床材質では有意差は認められなかった 5.主観評価によれば硬さの評価にかかわらず、青年はフローリングを好み、高齢者は畳を好む傾向があり、床材の好みには生活習慣が大いにかかわっていると推察された。
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