研究課題/領域番号 |
05452343
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
門村 浩 東京都立大学, 理学部, 教授 (80087064)
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研究分担者 |
田村 俊和 東北大学, 理学部, 教授 (00087149)
篠田 雅人 東京都立大学, 理学部, 助教授 (30211957)
堀 信行 東京都立大学, 理学部, 助教授 (40087143)
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キーワード | 環境変動 / 古環境図 / 古水文変動 / 湿潤熱帯 / 熱帯アフリカ / 熱帯アメリカ / 熱帯アジア |
研究概要 |
1.湿潤熱帯アフリカの環境変遷に関する既存資料に基づいて標準編年表を作成し、18ka(寒冷乾燥期)、12-13ka(寒冷乾燥→温暖湿潤転換期)、11-10ka(Younger Dryas対応乾燥イベント)、9-8ka(温暖化湿潤期)、7.5ka(乾燥イベント)、6ka(温暖湿潤期)4.5-4ka、3ka(乾燥化開始期)について古環境図を試作した。 2.熱帯アフリカでは、13-12kaが乾燥から湿潤への、4.5-4kaないし3kaが湿潤から乾燥への顕著な転換期であるが、前者では低緯度から高緯度へ、また後者では高緯度から低緯度へと、出現時期が移行していることが明かになった。 3.南米・アマゾン盆地について一部の古環境データの予備的解析を行い、ここでは上流域アンデス山地の隆起と中下流域の沈降というテクトニックス、氷期〜後永期転換期における融氷洪水の頻発などの点で、アフリカのコンゴ盆地とは異なった古水文変動を経験していることが指摘された。 4.また、南米については、完新世中期以降、熱帯アフリカの湿潤期に乾燥し、その乾燥期に湿潤になるという変動モデルが、最近、強調されるようになってきたが、このモデルの適否を検証することを通して、地域間比較研究の精緻化を図ることが要求される。 5.モンスーン・アジアについては、主に陸域の古環境データを集め、アフリカの場合にならった整理を試みた結果、縞嶼部と大陸部とで気候変動に対する水文現象のレスポンスが異なっていたことが予想された。
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