研究課題/領域番号 |
05452348
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
伊藤 紘二 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (20013683)
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研究分担者 |
伊丹 誠 東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (70212983)
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キーワード | 問題解決ワークベンチ / 知識ベースシステム / 対話的学習環境 / 問題記述 / 解決方略 / 発見誘導 / メディア表現 / 3次元操作環境 |
研究概要 |
学習者には、知識ベースに制御されたメタファ表現とその操作のためのメディアを道具として提供し、その上で問題記述を行わせてこれを操作させ、システムは、それを解釈しながら、対話によって、学習者による問題の理解と解決方略の発見を支援する対話的学習環境(ILE)としてのワークベンチシステムの柔軟な構築方法を見いだすことが本研究の目的であった。今年度は、サンプル分野として、とくに、メディア表現が重要な役割を果たす代数の文章題、初等幾何学、電気回路、動力学、電磁気学に重点を置いて、この様なメディア環境の試作を行なった。その結果、次の様な仕組みが得られた。知識ベースにおいて、問題と知識の記号的記述の素材となる認識フレームの階層の上位層に、そのフレームのインスタンスの記述を支援する(一般にはテンプレート化された)メソッドを、構造化された表現型の集まりであるMMO(Media Metaphor Object)クラスのサブクラスのインスタンスを作成させる手順として記述し、表現/シミュレーションに際しては、単純に、インスタンス識別子に(必要ならば、スロット値を更新しつつ)メッセージを送るだけとし、これらのメソッドつきフレームをシステム提供側が提供する。インストラクタは、下位フレームで、上位メソッドと表現型を継承してカスタム化することができる。幾何については、フリーハンド入力図形を識別して、問題の条件を満たすべくガイドする、フォーカシングと摂動によって図中にサブゴールを発見する、幾何と電磁気では、知識の図的適用を支援するなどのアルゴリズムも得られた。電気回路では、回路解析において、分割を利用した多段階の方略の発見を誘導する方法の試作を行なった。また、電磁気への応用を目指して、3次元空間オブジェクトの表示操作環境、とくに3次元マウスならびにカ-ソルの設計等、アフォーダンス理論に基づいた試作が行なわれた。得られた成果により、高度な対話メディアの構築が容易になったので、評価実験による対話設計を行ないたい。
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