研究概要 |
本年度は,高精細印刷画像処理システムのオンライン画像データ伝送方式の確立のために,電子製版システム(CEPS:Color Electronic Prepress System)のリファレンスモデルの検討と,DCT(Discrete Cosine Transform)を利用した高精細画像の圧縮問題の検討を行った.製版データ交換のための電子製版システムのリファレンスモデルを作成する際には,(1)電子製版システムの製版データ交換の全体像が展望できること,(2)製版データ交換の標準化が必要な箇所が明確にされていること,(3)製版データ交換の標準化すべき内容・項目が分かりやすくなるようにされていること,(4)既存の種々の標準化規格との関連が分かるようにされていること,が重要である.これらの事情を考慮して,電子製版システムのリファレンスモデルを作成し,1993年5月にドイツのミュンヘンで開かれたISO(国際標準化機構)のTC130(130技術委員会)のWG2(ワーキンググループ2)で“Reference Model for the Standardization of Prepress Data Exchange"(製版データ交換の標準化のためのリファレンスモデル)と題して発表した.更に,1993年9月に東京で開かれたISO/TC130/WG2では“Reports on the Reference Model for the Standardization of Prepress Data Exchange"(製版データ交換の標準化のためのリファレンスモデルについての報告)と題して発表した.一方,DCTによる高精細画像の圧縮問題については,DCTのためのブロックの大きさやしきい値をいろいろと変えて圧縮率を調べ,興味ある結果を得たので,1994年2月に高精細画像技術体系化分科会(日本規格協会)で「DCTによる高精細画像(SCID画像)圧縮の検討…変換ブロックとデータ圧縮…」と題して発表した.今後も更にこのテーマで研究を続けていき,当初の高精細印刷画像処理システムのオンライン画像データ伝送方式の確立を目指していく予定である.
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