研究概要 |
平成5年度に構築した詳細な市街地モデルと地震動モデルを用いて,地震被害シミュレーション解析を実施した.シミュレーションの項目としては,木造建物の震動被害,非木造建物の震動被害,屋内収容物の転倒被害,出火件数などである.これらの推定項目をコンピュータ地図上にグラッフィク表示し,居住者特性,土地利用,建物特性などと重ね合わせて評価する手法を考えた.ここでこれらの被害推定の方法としては,基本的には従来の地震被害想定のものを使用したが,ミクロな見方が不可欠なものについては,新しい手法の導入も考えた. また対象3地域に対して防災意識アンケート調査を行い,住民意識の地域,住宅構造,年齢,家族構成などによる違いを調べるとともに,シミュレーション解析で推定された危険度と住民の危険意識との対比を行った. これらの結果に基づいて,他の地域へ提案手法を適用する際の問題点の整理や、地域の市街地モデルを構築する際の各種データの整備方法に関する検討も進め,提案手法の一般化をはかった。また,2年間の研究のまとめとして、提案した被害想定手法とその結果を報告書および学会論文として広く公表した。
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