研究課題/領域番号 |
05452380
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
自然災害科学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
望月 利男 東京都立大学, 都市研究所, 教授 (80087270)
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研究分担者 |
塩野 計司 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (30128574)
松田 磐余 関東学院大学, 経済学部, 教授 (60087145)
小坂 俊吉 東京都立大学, 工学部, 助手 (60094265)
中林 一樹 東京都立大学, 都市研究所, 教授 (80094275)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 都市型地震災害 / 地震防災 / 災害脆弱性 / 国際比較 / 1995年兵庫県南部地震 |
研究概要 |
本研究の志向には国際防災の10年の活動があり、防災先進国の我国の研究者として発展途上国を主として対象と取り上げ地震災害の軽減に寄与できればとの考えから計画した。研究の進め方として1つは都市のマクロ情報から防災に関連する情報を収集し、それから都市の地震災害脆弱性を定量的に評価すること、並びに先進国のそれと比較検討する。次は特定の幾つかの都市について出来るだけその内部の地域を細分化し、各々の地域の自然条件や地域の都市構造、社会・経済システム等から科学的によりミクロな視点で地震災害危険度を評価しようとした。前者についてはほぼ方法論は確立したが、発展途上国の都市は、この事を評価しようとするとき問題になるのは必要となる資料が乏しい事にある。それで評価指標を16項目程度に絞り込む手法を開発した。その過程で明らかになったのは死傷者の多発は経済被害も大きいことを意味し、兵庫県南部地震でその事が実証されてしまった。即ち先進国では人的被害は少なく経済被害に対する脆弱性が問題になると考えられてきたのだが、この震災では共通の課題である事を認識させられた。なお、この地震に際し我国大都市の地震災害脆弱性を評価・比較し、神戸市はその点で平均的な都市であった事、手法の一般性を確認した。後者については我国の幾つかの都市、さらにはマニラ大都市圏、メキシコ市をモデル都市として研究を進め、その幾つかは本研究の期間内に発表した。この研究でも問題になるのは資料の整備の度合いである。我国では相当に小さな都市でもそれらは良く整っているが、米国など先進国でも国際比較に耐えうるほど整備されていないか、入手困難であった。考え方は我国の都市のように木造住宅が相当数を占める都市とそうでない都市、および都市規模により評価法を変えることが基本となるが、地盤条件と構造物の被害(震度)の関係など兵庫県南部地震を中心に現在も解析中である。
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