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1994 年度 実績報告書

多層膜回折格子によるX線分光法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05452381
研究機関名古屋大学

研究代表者

山下 広順  名古屋大学, 理学部, 教授 (80022622)

研究分担者 田原 譲  名古屋大学, 理学部, 助手 (10135296)
国枝 秀世  名古屋大学, 理学部, 助教授 (00126856)
キーワード多層膜反射鏡 / 回折格子 / シンクロトロン放射光 / 特性X線 / X線分光
研究概要

超高真空電子ビーム蒸着装置でPt/C多層膜(2d=80A,N=20及び2d=100A,N=10)をラミナー型回折格子(刻線数1200/mm,溝の深さ100A,1200/mm,200A及び500/mm,400A)に成膜し、そのX線光学特性を特性X線及び分子科学研究所UVSORの単色化されたシンクロトロン放射光を用いて評価した。フロートガラスと回折格子に同種の多層膜を同時に成膜し、その際、基板の温度を常温と液体窒素で冷却した場合について比較検討した。フロートガラスでは液体窒素で冷却した方が高いX線反射率が得られるのに対し、回折格子では常温にした場合に優れた性能が得られる。この相反する事実を明らかにするために、原子間力顕微鏡(AFM)で表面の粗さを観察した。その結果、回折格子の形状は多層膜を成膜しても保たれているが、その表面は明らかに粗くなっていた。これは表面が平坦であるか、複雑な構造を持っているかで多層膜にかかる内部応力が大きく変わるものとして解釈することができる。
シンクロトロン放射光による測定では、X線のエネルギーを1.2keV,1.7keV,2.0keV,2.8keVに固定し、入射角を変化させて0次光、+/-1及び2次光の回折効率と反射率を求めた。その結果を計算値と比較したところ、最大の反射率を得るためには、回折格子の溝の深さと入射X線のエネルギーの間には一定の関係があることが明らかになった。これは今後の多層膜回折格子の開発に大きな指針を与えるものである。次への発展を目指して、現在、100-300Aの波長域での直入射型多層膜回折格子の開発を進めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Yamashita 他7名: "Platinum/carbon multilayer reflectors for soft‐x‐ray Optics" Applied Optics. 33. 5869-5874 (1994)

  • [文献書誌] K.Yamashita H.Kunieda 他7名: "Multilayer coated laminar gratings in the soft x‐ray region" Review of Scientific Instruments. (in press). (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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