研究課題/領域番号 |
05452385
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
石塚 浩 福岡工業大学, 工学部, 教授 (50015517)
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研究分担者 |
増崎 克 金沢大学, 理学部, 教授 (10110602)
武田 薫 福岡工業大学, 工学部, 助手 (90236464)
中原 百合子 福岡工業大学, 工学部, 助手 (00237364)
時田 正彦 福岡工業大学, 工学部, 教授 (70099026)
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キーワード | 高輝度電子ビーム / マイクロビーム / エミッタンス測定 / 微小集積化冷陰極 / マイクロ3極管アレイ / 電子銃 / 真空マイクロエレクトロニクス / 自由電子レーザ |
研究概要 |
平成5年度に電子放出特性を調べたスピント陰極(標準型及び高電流密度型)を用いてビームを生成し、伝搬させてその振る舞いを観察した。同じく平成5年度に検討した方法により、ビームのエミッタンスを測定した。 1.実験装置の改善:マイクロエミッターの安定な動作には超高真空を要するので、電子源部のベースプレッシャーを1x10^<-7>Pa以下に低めた。実験はビームエネルギー10keV以下で行うが、たとえ微弱でも放電が起きるとマイクロエミッターが損壊するので、安全の為20kVの電圧に耐えるような電子銃部の絶縁を改良した。 2.マイクロエミッターの動作の安定化:ビームが電極に当たってガスを放出すると真空が劣化する。それ故直流実験ではビーム電流を低く抑える。その状態で電子放出が安定するようFETを用いて定電流化を行った。 3.ビームの長距離伝搬:スピント陰極で発生したビームを加速し、静電レンズ、偏向系、ドリフト部を通過させ、電子源から1m前方の蛍光板で検出した。蛍光板上には電子源の拡大像が現れ、電子銃部でビームの口径を絞るとスピント陰極の電界放出テイップの像が分離して観測された。この分離は予期以上の結果であった。 4.ビームエミッタンスの測定:小さなビーム断面を4重極レンズによって引き延ばし、像の大きさの4重極レンズ強度依存性からエミッタンスを求める新測定法を試み、予期通りの依存性が現れることを確かめた。得られた規格化エミッタンスは〜10^<-7>π m radであった。各電界放出テイップからのビーム(ビームレット)にはハロ-が生じている。現在、このハロ-の抑制並びにビームレットのエミッタンス測定を志向している。 5.その他:ビーム電流値を高めると高価なスピント陰極が破損するので、高輝度ビームを得る試みは保留して来た。輝度向上に関する実験は、今後、テイップ数の少ない収束電極付きマイクロエミッターを用いて行う。
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