研究課題/領域番号 |
05452389
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
本間 利久 北海道大学, 工学部, 教授 (00091497)
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研究分担者 |
川口 秀樹 北海道大学, 工学部, 助手 (90234046)
五十嵐 一 北海道大学, 工学部, 助手 (90212737)
槌本 昌則 北海道大学, 工学部, 講師 (40207402)
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キーワード | ブートストラップ電流 / MHDプラズマ / MHD平衡 / 自由境界 / バナナ軌道 / 新古典理論 / 定常運転 / 摩擦・粘性行列 |
研究概要 |
トカマク型核融合炉において、プラズマが十分加熱され衝突頻度が低下するといわゆるバナナ軌道を描く電子が現れ、この電子が非補足電子に運動量を与えることによってトロイダル方向に電流が流れる。このブートストラップ電流は定常的に流れ、しかも駆動のための外部エネルギーを必要としないため、トカマク型核融合炉の定常運転化において極めて重要な役割を果たすと考えられている。本研究では、実際の運転において行われる、外部コイル電流によるプラズマ形状の制御を考慮するために、自由境界プラズマを解析モデルとして選び、上記のブートストラップ電流量を解析するとともに、それがプラズマの平衡に与える効果を定量的に明らかにすることを目的としている。 平成5年度の研究により、本解析の基礎となる自由境界プラズマ平衡解析コードが完成した。本解析コードでは、プラズマが所要の形状になるように外部コイル電流が自動的に調節されるため、実際の運転状況に近い計算機モデルを扱うことができる。また、本コードの解析結果として与えられる磁場構造のもとで、Hirshmanらによる理論を基礎としてプラズマの摩擦・粘性行列を計算し、それらを含む運動量バランス方程式を解くことでブートストラップ電流量が解析できるようになった。これらの成果をもとに、最終年度である次年度において、炭素等の不純物を含むプラズマを解析できるように本解析コードを拡張し、またブートストラップ電流の磁場構造に与える影響を考慮した、より精密な解析を実施する予定である。また解析でえられる種々の知見を論文として公表する予定である。
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