• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

大気中における酸性粒子生成と雨の酸性化への影響

研究課題

研究課題/領域番号 05452399
研究機関京都大学

研究代表者

笠原 三紀夫  京都大学, 原子エネルギー研究所, 助教授 (80027143)

研究分担者 池田 有光  大阪府立大学, 工学部, 教授 (40026232)
吉田 紘二  京都大学, 工学部, 教務職員
山本 浩平  京都大学, 原子エネルギー研究所, 助手 (10263154)
キーワード酸性粒子 / DMS / 粒子生成 / 雨水 / 大気エアロゾル / イオンクロマトグラフ分析 / PIXE分析 / 雨水洗浄作用
研究概要

本年度は下記の3課題について検討した。
1.DMS(Dimethyl Sulfide)の粒子生成機構の解明と粒子転換速度の決定:昨年度製作した光化学実験用流動型小型チャンバーを用いて,DMS/清浄空気系からの光化学的粒子生成特性,粒子転換速度を調べた。SO_2/清浄空気系に比べ,生成粒子濃度は低くまた粒度分布も微小粒径側にあり,粒子生成能はSO_2/清浄空気系よりかなり小さく,粒子転換速度はSO_2/清浄空気系の約10^<-2>hr^<-1>に対し,約10^<-4>hr^<-1>で2桁小さかった。
2.雨によるエアロゾル粒子の洗浄効果:昨年度製作した雨水連続採取装置,自動・連続型大気エアロゾルサンプラーを用いて各種環境条件下で雨水,大気エアロゾル試料を採取し,溶解性・不溶解性成分に分離後,イオンクロマト分析,PIXE分析を行った。なお,雨水については0.1mm単位で採取し,降水量に伴うイオン成分,元素成分濃度の変動特性,雨水洗浄機構について検討を行った。主として土壌起源のFe,Si,Tiはその多くが不溶性成分として,一方S,Clはそのほとんどが水溶性成分として雨に取り込まれる。降雨開始後およそ0.5mmまでの初期降雨期間中に,降雨洗浄効果は著しく減少する。
3.エアロゾル粒子の降雨洗浄モデルと輸送シミュレーションモデル:大気中のエアロゾル粒子が雨により洗浄される降雨洗浄モデル,およびSO_2→SO_4^<2->粒子転換や酸性物質の沈着を含む輸送シミュレーションモデルを作成し,降雨過程に及ぼす諸因子の影響ならびに大気輸送中における粒子生成や沈着の粒子濃度に及ぼす影響について検討した。人体に及ぼす影響が大きい硫酸塩粒子のような人為起源主体の微粒子は自然起源粒子に比べ雨により除去され難い。降雨強度の強い雨の方が単位時間当たりの洗浄効果は大きい。

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi