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1993 年度 実績報告書

YIG単結晶薄膜を用いたマイクロインダクタの超高周波特性とその理論的解析

研究課題

研究課題/領域番号 05452912
研究機関東北大学

研究代表者

山口 正洋  東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (10174632)

研究分担者 石山 和志  東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20203036)
荒井 賢一  東北大学, 電気通信研究所, 教授 (40006268)
キーワードYIG / マイクロインダクタ / 高周波測定 / インダクタンス / 分布磁束 / 透磁率 / マイクロ磁気デバイス / バイアス磁界
研究概要

近年半導体を始め種々の電子デバイスの集積化が著しく進歩し、電子機器の小型化・軽量化が急速に実現しつつある。しかしインダクタンスを含む回路は集積化から取り残されている。このような状況に対し、最近高性能磁性薄膜の研究も大きな進展を見せ、微細加工技術を併用して小型で高周波帯域で使用可能なマイクロインダクタの開発が試みられるようになってきた。
本研究は優れた絶縁特性を有し、超高周波帯域でも高い透磁率を示すことで知られる化学量論的組成を持つYIG単結晶の薄膜を、GGG基板上に厚さ約50μm程度エピタキシャル成長させ、薄膜面上に直接銅の平面コイルを微細加工技術を駆使して構成することにより、超高周波帯でも高いインダクタンス値を示す新型のマイクロインダクタを実現するとともにその設計指針を明らかにし、更にこれに関連する測定技術、高周波解析技術等についても併せて開発することを目的とした。
その結果、まず導体幅30μm、導体厚1μm、導体間隔20μmの15往復のつづら折れコイルを膜厚20μm以上のYIGでサンドイッチした構造の磁性薄膜インダクタでは1μHに匹敵する高いインダクタンスが得られることを明らかにした。これはつづら折れコイルを用いた薄膜インダクタとしては極めて大きな値である。次いで、薄膜インダクタ中の磁束分布を簡便に表示可能なT型及びπ型等価回路を導出し、YIG単結晶膜による磁性薄膜インダクタのみならず、合金磁性薄膜インダクタについても適用可能であることを実験との対比から確認した。最後に以上の結果に基づき、YIG単結晶薄膜を用いたマイクロインダクタにおける特性の理論限界を求め、1mm角の大きさで、インダクタンスが0.5μH、100MHzにおけるQが100以になるとの注目すべき予測結果を得た。
以上のように本研究は、ほぼ所期の目的を達成することができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Yamaguchi: "Resonance analysis of figure-8 coil type permeance meters" IEEE Transactions on Magnetics. 29. 2986-2988 (1993)

  • [文献書誌] M.Yamaguchi: "Estimation of the in-situ permeabilities in thin film inductors" IEEE Transactions on Magnetics. 29. 3210-3212 (1993)

  • [文献書誌] 山口正洋: "磁性膜と導体膜を密着させた内部コイル形薄膜インダクタの特性" 日本応用磁気学会誌. 17. 511-516 (1993)

  • [文献書誌] 山口正洋: "磁気シールド効果を考慮した薄膜インダクタの特性解析" 日本応用磁気学会誌. 18(印刷中). (1994)

  • [文献書誌] 山口正洋: "磁性薄膜インダクタの基礎特性" 電気学会マグネティックス研究会. MAG-93-266. 101-113 (1993)

  • [文献書誌] 山口正洋: "YIG単結晶膜を用いたマイクロインダクタの諸特性" 平成6年電気学会全国大会. (発表予定). (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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