研究課題/領域番号 |
05453005
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田賀井 篤平 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40011738)
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研究分担者 |
森 寛志 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30174379)
武田 弘 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50011523)
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キーワード | 地殻進化 / 古環境 / 変質作用 / 斜長岩 / 斜長石 / 微細組織 |
研究概要 |
地球地殻の形成初期の情報は活発な火成活動や大洋・大気等による浸食・堆積・変成作用により殆んど失われているが、25〜30億年の年代を示す太古代斜長岩は地球地殻の形成初期の歴史を記録に留めた数少ない岩石である。その鉱物学的特徴は、ユークライト隕石(原始的な地殻を有する母天体に由来する)や月高地の斜長岩と共通している。これら3つの斜長岩に太陽系における地殻進化過程の初期段階を代表させ、その微細組織をX線回折、マイクロプローブ、分析電子顕微鏡等を用いて解析し、太陽系における地殻の形成過程を解明することが目的である。また太古代斜長岩は地球地殻形成初期の風化作用を受けており、この風化作用は地球ならではの地殻進化作用である。この風化作用に由来する鉱物の微細組織の解析を通じて地球地殻生成時期の地球古環境の解明することができる。平成5年度は太古代斜長岩中の斜長石の微細組織を透過型電子顕微鏡、分析走査型電子顕微鏡、高分解能X線回折法(ギニエカメラ)を使用して調べた。同時に、テストチューブ型水熱合成装置およびテフロン反応セルにより斜長石の変質実験を行った。この結果太古代斜長岩中の斜長石の冷却過程を推定する事ができた。また熱水変質実験から斜長石の変質の温度・圧力条件を推定し、また斜長石のミクロからサブミクロのオーダーの微細組織が変質・風化作用が進行する過程に本質的に重要な役割を果たしていることを見いだした。また天然に見られる熱水変質紘物がホストの斜長石との間に結晶学的方位関係を保って生成している事をみいだし、その方位関係を明らかにした。
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