• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

太陽系における地殻形成の初期過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05453005
研究機関東京大学

研究代表者

田賀井 篤平  東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (40011738)

研究分担者 武田 弘  東京大学, 大学院理学研究科, 教授 (50011523)
キーワード地殻物質進化 / ユ-クライト隕石 / 月高地斜長岩 / 太古代斜長岩 / 斜長石 / 微細組織 / 風化
研究概要

太陽系における地殻進化の過程を、地殻の主要構成鉱物である斜長石の微細組織の系統的研究により明らかにした。太陽系における最も始源的な地殻をユ-クライト隕石に代表させ、やや進化しその途中過程で進化を停止した天体の地殻を月高地の斜長岩に代表させた。更に進化した惑星が地球であり、既に大半が失われた初期地球地殻を太古代斜長岩に代表させた。これらの隕石及び斜長岩中のCaに富んだ斜長石について、プリセッションカメラやギニエカメラにイメージングプレートを装着し高感度・高ダイナミックレンジのX線回折実験と高分解能分析電子顕微鏡実験を行った。その結果、斜長石の示す反位相領域であるCドメインの形状とサイズが系統的に変化していることを見出した。特に、多様なユ-クライト隕石の中で集積岩的組織を示す隕石群の冷却過程を明らかにした。また地球太古代斜長岩中に斜長石の分化過程に新たな知見をもたらすCaとKの離溶組織を高分解能分析電子顕微鏡を用いて世界で初めて発見した。さらに地球地殻にのみ存在すると考えられる物質進化過程である風化について研究を行った。風化は地球形成初期から現在に至るまで進行している物質進化過程であるが、太古代斜長岩中の風化鉱物に着目して、地球初期の風化過程を研究した。風化過程において緑泥石や緑簾石が斜長石の特定の方位に形成されているが、その微細組織の研究から形成温度や化学的な環境を決定し、グラフエピタクシーの概念を適用して形成のメカニズムをも明らかにした。また斜長石の風化実験を特定の方位に切り出した単結晶の斜長石について行い、結晶構造、微細組織と風化の進行過程との関係を研究した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Suzuki: "Reaction Products in the hydrothermal treatments on a single crystal of plagioclase." Min.Journ.17. 83-90 (1994)

  • [文献書誌] T.Tagai: "Superstructure of tetrataenite from the Saint Severin meteorite." Zeits.Krist. 210. 14-18 (1994)

  • [文献書誌] T.Tagai: "Crystal structures and diffraction characteristics of the calcic plagioclases from three monomict eucrites:ALH85001,Serra de Mage and Moore County" Meteoritics. 29. 538-539 (1994)

  • [文献書誌] M.Suzuki: "Oriented growth of chlorite and zoisite in plagioclase as alteration products-examples of graphoepitaxy-" Min.Jour.17(in press). (1995)

  • [文献書誌] T.Tagai: "A new phase of natural feldspar,AnxOr100-x,x=50" Proc.Japan Acad.71B(in press). (1995)

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi