研究課題/領域番号 |
05453010
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松永 捷司 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (60022729)
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研究分担者 |
長田 和雄 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (80252295)
林 政彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (50228590)
柴田 隆 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (70167443)
近藤 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (20110752)
岩坂 泰信 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (20022709)
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キーワード | 硫黄循環 / 揮発性硫黄化合物 / ジメチルスルフォイド / エアロゾル / 光化学反応 / 微量成分 / ライダー / 亜硫酸ガス |
研究概要 |
「硫黄の地球規模での循環」像を明らかにする目的で、昨年同様に、海に面した名古屋大学太陽地球環境研究所付属佐久島観測所と名古屋大学東山キャンパスの2観測地点を中心にとして地上観測を実施した。 佐久島観測所での観測は、慶応大学の研究グループと共同でNOx、O3、気象観測要素と共に、揮発性硫黄化合物の観測を実施した。また、日本海に面した富山・鳥取・福岡等にエアロゾル採取のための地上ネットワークを構築し、日本海起源およびユーラシア大陸起源の粒子状物質の地球規模物質循環に及ぼす影響評価を試みた。 さらに本年度は、地上観測だけでなく、航空機観測による自由大気中および大気境界層内の揮発性硫黄化合物の鉛直分布の観測に重点をおいた。これにより、大気中における揮発性硫黄化合物の輸送・反応機構の解明に努めた。 これらの、航空機観測と地上ネットワーク観測により、偏西風によって大陸から輸送されてくる黄砂を化学組成より同定することに成功した。 それと共に、航空機によって、海面起源で寿命の短いジメチルスルフォイドの濃度が上層で高く下層で低くなることがあることが観測された。このことにより、東アジア域においては、単に偏西風によって運ばれるだけでなく、鉛直方向の擾乱によって、揮発性硫黄化合物やエアロゾルが海表面付近から自由大気中に輸送され、大気中での反応を伴いながら、日本上空へ達するプロセスがあることを示している。 そして、航空機観測によるエアロゾルなどの観測結果・気象状況の解析などにより、このプロセスが、物質輸送や大気中の化学反応系を検討するうえで無視できないことが明らかにされた。
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