研究概要 |
平成5年度において、効率の高いモノラジカル発生法を開発したが、本年度はビラジカル種の発生について検討を行った。まず最初に、今まで励起状態の反応性が明らかにされていない発色団として[3]デンドラレン誘導体(1a,b)を合成し、その光反応性を検討し、これらの化合物が高収率でトリメチレンメタン型ビラジカル(2a,b)へ閉環することを見い出した。これらのビラジカルは酸素により捕捉することができた。 さらに、ピリジニウムカチオンをラジカル前駆体とするビラジカル種の発生を検討した。ピリジニウムカチオンを種々のスペ-サに導入した化合物を合成し、その金属還元を検討したところ、次の(3),(4),(5)のビラジカルを室温下で高収率で調製することができ、ESRを用いるキュウリ-プロットにより、調製したビラジカル(3),(4)は基底状態三重項であり,(5)は基底状態一重項であることを明らかにした。 [3]デンドラレン誘導体の結果は既に発表したが、ピリジニルビラジカルの結果は現在原稿を準備中である。
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