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1993 年度 実績報告書

鉄クロリン錯体による酸素活性化機構と反応性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05453043
研究機関京都大学

研究代表者

渡辺 芳人  京都大学, 工学部, 助教授 (10201245)

研究分担者 森島 績  京都大学, 工学部, 教授 (50026093)
キーワード鉄クロリン錯体 / 酵素モデル / 酸素活性化 / 反応機構
研究概要

本年度は、クロリン錯体のCompound Iモデルとして、Fe(III)Chl(R=メシチル基)錯体をメタクロル過安息香酸と極低温下で反応させることで、高原子価O=Fe(IV)Chl+・(1)の合成に初めて成功した。1は-78℃では比較的安定に存在するが、温度を上げると対応するポルフィリン錯体へと変化する。この結果は、1がFe(III)Porphyrinと同じ酸化状態にある事を示すものである。O=Fe結合を分光学的に検討する目的で、-78℃での共鳴ラマン測定を行なったが、本錯体はレーザの照射条件下では不安定なため、分解反応が進行しFe=O結合の詳細を明らかとすることが出来なかった。さらに、O=Fe(IV)Chl+・とO=Fe(IV)Por+・の反応性を比較検討し、後者が圧倒的に高い反応性を示すことを明らかとした。
続いてクロリン錯体のCompound IIモデルとして、O=Fe(IV)Chlの合成に初めて成功した。すなわち、Fe(III)Chl-O-O-Fe(III)Chl錯体はラマン測定条件でO=Fe(IV)Chlを与えること明かとなった。さらに,Fe(III)Chl-O-O-Fe(III)Chl錯体をイミダゾール誘導体と反応することで、O=Fe(IV)Chl(Imidazole)中間体の低温溶液中での合成に成功した。O=Fe(IV)Chl(Imidazole)におけるFe=O結合の詳細を共鳴ラマン測定によって行なったところ、これまで酵素系で推測されていたものとは異なる結果が得られ、これまで酵素系で推測されていた中間体の構造について再検討が必要なことを示した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Shinji Ozawa: "Spectroscopic characterization of peroxo-iron(III) chlorin complexes.The first model for a reaction intermediate of cytochrome d." Inorg.Chem.33. 306-313 (1994)

  • [文献書誌] Shinji Ozawa: "Preparation and characterization of oxoiron(IV) chlorin complexes as the first models for a reaction intermediate in the catalytic cycle of cytochrome d." J.Am.Chem.Soc.116. 634-641 (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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