研究課題/領域番号 |
05453046
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
北川 進 東京都立大学, 理学部, 教授 (20140303)
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研究分担者 |
近藤 満 東京都立大学, 理学部, 助手 (80254142)
川田 知 東京都立大学, 理学部, 助手 (10211864)
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キーワード | マイクロ波 / 電子レンジ / 配位高分子 / 二次元構造 / 単結晶 |
研究概要 |
これまで膨大な蓄積のあるウエルナー錯体を用いてそれらを集合した化合物群は新しい金属錯体化学を拓くものと期待されている。特に各種金属錯体をユニットとして連結したポリマー(配位高分子)は種々の興味ある固体物性を示す新しい系と考えられる。しかしながら、物性理論に緊密に関連した設計法や、単核錯体を合理的に連結して単結晶を得る合成法が未開拓であるため、優れた方法論が望まれている。本年度は以下に示す二点について大きな成果を得ることが出来た。 (1)電子レンジ合成の成功:マイクロ波を用いた特殊合成の第一歩として、電子レンジを用いた合成に関しては極めて重要な展開を見た。即ち、全く不溶で出発原料とならない物質と考えられてきた[Cu(oxalate)_2]を用いて一次元配位高分子の合成に成功した。例えば、[Cu(oxalate)_2]配位子、水混合物を電子レンジで5分加熱するだけで合成できるという極めて簡便な方法を見いだした。 (2)二次元構造錯体の実現:上記方法論を用いて横糸となる一次元鎖に加え縦糸となる連結配位子Lをさらに加えることで二次元構造の[Cu_2(oxalate)_2(pyrazine)_3]の単結晶化に成功した。これは、当初の目的である二次元四角格子であり、また、新しい二次元磁性体としても興味がもたれる系である。
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