研究課題/領域番号 |
05453047
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
鳥海 幸四郎 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (90124221)
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研究分担者 |
小澤 芳樹 姫路工業大学, 理学部, 助手 (40204200)
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キーワード | ハロゲン架橋一次元錯体 / X線結晶構造解析 / 電解結晶化 / 均一原子価錯体 / 構造相転移 / 複核白金錯体 / 混合原子価錯体 / 格子定数の温度依存性 |
研究概要 |
強い電子格子相互作用に特徴付けられるハロゲン架橋一次元金属錯体について、超伝導性などの構造および電子的な揺らぎにもとづく新しい物性を発現するには、ハロゲン架橋一次元カラムに対して電子的および構造的な影響を与えるカラム構造を導入する必要がある。結晶化の条件を制御しやすい電解法を用いて、ハロゲン架橋一次元ニッケル錯体の結晶作成を行った。また、一次元鎖間の相互作用に関係すると思われる大変興味深い構造相転移についても研究を行った。 (1)電解法によるハロゲン架橋一次元ニッケル錯体の結晶作成。 電解法を用いてハロゲン架橋一次元Ni^<III>-Br-Ni^<III>錯体、{[Ni(en)_2Br](ClO_4)_2}_∞、の2つの多形(α体とβ体)の結晶作成に成功した。α体の結晶構造解析から、架橋臭素原子は2つのニッケル原子の中央に位置し、Ni-Br距離は2.640(1)Åと長くなっていることが明らかになった。また、β体については一次元鎖方向の格子定数から2.693(2)Åと見積られた。このNi-Br距離の伸びは嵩高いClO_4^-を外圏イオン導入できたことによるものと思われる。また、磁化率の温度依存性の測定からNi^<III>上のスピン間に働く反強磁性相互作用の大きさをJ=-1700Kと見積ることができた。 (2)ハロゲン架橋一次元複核白金錯体、Pt_2(dta)_4I、の構造相転移。 Pt_2(dta)_4Iの格子定数の温度依存性を-160〜190°Cの範囲で単結晶X線回折法を使って測定したところ、電気伝導度において観測された半導体→金属→半導体転移に対応して、-20〜100°Cの温度範囲で単位格子の体積に関して負のヒステリシスを伴う異常な挙動が観測された。-89°Cおよび130°Cにおける単結晶構造解析より、90°C付近に一次相転移があり、空間群は低温相ではC2/cで高温相ではA2/mであることが明らかになった。低温相と高温相の結晶構造の比較から、格子定数の温度変化の異常な挙動は、dta配位子のコンホメーションのorder/disorderに関係しているものと思われる。
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