1.樹脂酸を出発とするDiels-Alder反応:パラストリン酸メチルと無水マレイン酸あるいはN-フェニルマレイミドとのDiels-Alder反応が高圧条件下有効に進むことを見つけた。 2.抗潰瘍性物質Al-77-Bの合成:D-リボースより合成したN-Bocラクタム誘導体とシクロヘキシルアミンとの縮合反応が高圧条件下有効に進行し、Al-77Bの合成ルートとして充分役立つことを証明した。 3.エポキシ化合物のグリシン誘導体によるアミノリシス:エポキシドのグリシン誘導体によるアミノリシスが、高圧下では無触媒でも化学量論的に進行することを見つけた。また、同様の反応がシリカゲルに吸着させた条件でも進行することを見つけた。 4.エポキシ化合物と含窒素複素環化合物との反応:エポキシドと含窒素複素環化合物との反応を高圧およびシリカゲル吸着条件の両面から検討し、ほぼ同程度の有効性をもつことを示した。また、本反応は協奏的なS_N2的開環付加の機構で進行していることもわかった。 5.光学活性不斉金属配位子の調整:光学活性エポキシドを出発とする新規ジアゾール系配位子の合成を行い、ジエチル亜鉛のベンズアルデヒドへの不斉アルキル化に適用した。 6.Diolmycin A2の合成:エポキシドとインドールとの高圧条件下での開環反応をキ-ステップとするDiolmycin A2の合成を行い、短段階での天然物合成ルートを確立した。 7.エポキシドのハロヒドリン誘導体への変換:シリカゲル-LiX試薬を用いる無溶媒でのエポキシドの定量的なハロヒドリン誘導体への変換反応を見つけた。 8.高圧反応を用いるシリカゲルの高次機能化:本研究の機能性材料開発への応用として、シリカゲルの高次機能化により、新規なHPLC材料開発の方法論を開発した。
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