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1993 年度 実績報告書

分子内相互作用を利用したクラウンエーテル型ケイ光吸光試薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 05453065
研究機関北海道大学

研究代表者

中村 博  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (00117194)

研究分担者 吉田 登  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (00158461)
キーワードケイ光試薬 / エキサイマー / アルカリ土類金属 / アントラセン / ピレン / ポリエーテル
研究概要

開環型のクラウンエーテル類似化合物をアミノ基を両末端に有するポリエーテル化合物と多環型芳香族カルボン酸から合成した。芳香環としてはアントラセン,ピレン,キサンテン,フルオレン,ベンゾオキサジアゾールを検討した。まず、両端をアミド結合によってアントラゼンを導入した化合物(AA)について、アルカリおよびアルカリ土類金属イオンとの錯形成とそれに伴うケイ光・吸光スペクトルの変化を測定した。AAはフリーな状態ではアントラセンモノマーのケイ光スペクトルを与えるが、カルシウムイオンと錯形成するとエキサイマーのケイ光スペクトルへと変化していった。これは錯形成にともなって2つのアントラセン部位が近づいて相互作用をおよぼしたためと考えられる。これらのスペクトル変化から錯形成を検討したところ、すべてのアルカリ土類金属イオンとは1:1錯体を形成し、錯形成の序列はCa^<2+>>Sr^<2+>>Ba^<2+>>Mg^<2+>となった。アルカリ金属イオンとは明確な錯体を形成しなかった。一方、ピレンを発色団とした試薬(PP)は始めからエキサイマーを形成し明確なスペクトル変化は示さなかった。これはよく知られているようにピレン部位が2量体を形成しやすいためである。ポリエーテルの両端に異なる官能基を導入した化合物についてもケイ光挙動と錯形成挙動を検討した。アントラセンとピレンを導入した化合物(AP)では、Ca^<2+>と錯形成するとピレンとアントラセンとからなると考えられるエキサイプレックスの発光が見られるようになった。また錯形成定数はAAに比べて80倍ほど大きいことが分かった。このように芳香環を種々導入することによって新しい形のケイ光試薬を合成することができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Kakizawa: "Syntheses and complexing behavior of new fluorescent reagents for alkaline earth metal ions" Chem.Lett.1671-1674 (1993)

  • [文献書誌] M.Fukushima: "Interaction between humic acids and copper(II) oxinate,Anal." Chim.Acta. (in press.).

  • [文献書誌] K.Sugawara: "Electrochemical detection of avidin-biotin binding using an electroactive biotin derivative as a marker" Bioelectrochem.Bioenerg. (in press.).

  • [文献書誌] H.Nakamura: "Time resolved electron spin resonance spectra of linked radical pairs on laser excitation of zinc tetraphenylporphyrin-viologen systems" J.Phys.Chem. 97. 554-556 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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