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1993 年度 実績報告書

金属錯体の抽出・分離システムとしての逆ミセルにおけるミクロ反応場の解析

研究課題

研究課題/領域番号 05453069
研究機関広島大学

研究代表者

岩本 悦郎  広島大学, 理学部, 助教授 (80033918)

研究分担者 岡本 泰明  広島大学, 理学部, 助手 (40213988)
藤原 照文  広島大学, 理学部, 助手 (80127703)
熊丸 尚宏  広島大学, 理学部, 教授 (50033816)
キーワード環状ニッケル錯体 / ソルバトクロミズム / 塩化セチルトリメチルアンモニウム / イオン-溶媒相互作用 / 逆ミセル
研究概要

1.生体系における酵素の反応中心の環境と類似する反応場として注目されている逆ミセルの特異性を明らかにする目的で、[Ni(tmc)]^<2+>(tmc:1,4,8,11-tetramethyl-1,4,8,11-tetraazacyclotetradecane)をプローブとして逆ミセルの内水相に溶解させ、そのソルバトクロミズムと溶存状態との関係を解析した。
2.界面活性剤として塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)を溶解した6:5(v/v)クロロホルム/シクロヘキサン溶液に、[Ni(tmc)](ClO_4)_2水溶液を分散させて逆ミセル溶液を調製した。逆ミセルの大きさを決める主因である水とCTACのモル比R=[H_2O]/[CTAC]([H_2O]は一定)を変えて錯体の可視吸収スペクトルを測定した。このとき逆ミセルが相分離を起こさないようにするためMg(ClO_4)_2を添加した。また、通常の水溶液中で高濃度の(CH_3)_4NClを添加してソルバトクロミズムを比較検討した。
3.[Ni(tmc)]^<2+>は赤色の平面4配位錯体で、一方のaxial位からH_2OまたはCl^-が配位することによって緑色の5配位錯体になる。Mg(ClO_4)_2の添加のスペクトルへの影響は小さいものであった。R≧15の逆ミセルでは通常の水溶液中でのCl^-濃度を著しく高めた場合([(CH_3)_4NCl]=3.65M)とほぼ同じ錯体分率(4配位錯体:H_2O配位:Cl^-配位=3:3:4)のスペクトルが得られた。CTAC濃度の減少に伴って、5<R≦15では、Cl^-の配位が増大する一方、Cl^-の配位による5配位錯体の吸収ピークのシフトが観測された。R≦5の場合、Cl^-の配位による423nmでの吸光度が増大し、4配位錯体の512nmの吸収ピークがほとんどなくなり、R=2付近ではH_2Oの配位による393nmでの吸収も見られなくなった。以上のことは、逆ミセルの内水相が極めて高いイオン強度を持ち、特にR<5ではCl^-の配位能力は極めて高く、通常の水相では不可能な完全5配位錯体スペクトルを得ることができることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Jun Nishimoto: "Coordination of water hydrogen-bonded to pyridine derivatives to the [Ni(tmc)]^<2+> cation in nitrobenzene" Bulletin of the Chemical Society of Japan. 66. 1669-1674 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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