研究課題/領域番号 |
05453079
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
三浦 嘉也 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (80032952)
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研究分担者 |
藤井 達生 岡山大学, 工学部, 講師 (10222259)
尾坂 明義 岡山大学, 工学部, 教授 (20033409)
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キーワード | 酸化物人工格子 / 磁性薄膜 / 活性化反応蒸着法 / 酸化鉄 / 酸化コバルト / 酸化マグネシウム / 酸化チタン |
研究概要 |
活性化反応蒸着法により、Fe_3O_4/MO(M=Mg,Co)酸化物人工格子薄膜と酸化チタン薄膜を作成し、その構造及び磁性など物性について検討した。MgO(001)基板上には(001)配向を、またα-Al_2O_3(0001)基板上には(111)配向を示す結晶性に優れたFe_3O_4/MO人工格子を作製できた。XRD及びTEMの結果、得られた薄膜は設計通りスピネル型格子と岩塩型格子が交互に積層した人工格子となっていることが確認された。 強磁性Fe_3O_4層と非磁性MgO層を組み合わせたFe_3O_4/MgO人工格子の場合、MgO層はFe_3O_4層間の磁気交換相互作用を遮断し、その保磁力を減少させた。一方、Fe_3O_4層と反強磁性CoO層を組み合わせたFe_3O_4/CoO人工格子の場合、CoO層を介在したFe_3O_4層間の磁気交換相互作用の存在と、Coイオンの持つ1イオン異方性のため保磁力は増加した。また、Fe_3O_4/CoO界面での格子のミスフィットによる磁歪の影響で、(100)配向膜では面内方向の、(111)配向膜では積層方向の磁気異方性が生じた。 Fe_3O_4/MO界面の拡散の程度は、蒸着時の基板温度に大きく依存しており、基板温度の上昇とともに急激に増加した。Fe_3O_4/MO界面において、拡散によりFe_3O_4強磁性層が磁気的に希釈され、MFe_2O_4拡散層が形成されると仮定すると、基板温度300℃における拡散層の厚さは約30Åとなり、飽和磁化ならびにメスバウアースペクトルの変化をうまく説明することができた。 一方、α-Al_2O_3(0001)基板上に酸素分圧を制御することによってTiO_2またはTi_2O_3のエピタキシャル膜を作製することができた。Ti_2O_3は400Kで電気抵抗に急変が現われ金属-半導体転移を示した。
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