研究課題/領域番号 |
05453084
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岩原 弘育 名古屋大学, 工学部, 教授 (80023125)
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研究分担者 |
日比野 高士 名古屋工業技術研究所, 構造プロセス部, 主任研究員 (10238321)
伊藤 秀章 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60109270)
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キーワード | 混合イオン導電体 / プロトン / 酸化物イオン / ペロブスカイト型酸化物 / 導電率 / 燃料電池 |
研究概要 |
BaCeO_3を母体とし、そのCeの一部を3価カチオンで置換したペロブスカイト型酸化物イオン-プロトン混合導電性について 討した昨年度の研究に引き続き、今年度は2価カチオンでの部分置換による混合イオン導電性について実験を行い、3価イオン置換の場合と比較検討した。2価カチオンとしてMg、CaおよびSrを取り上げ、BaCeO_3のCe5%をこれらのドーパントで置換した焼結体の高温湿潤水素中での導電性を検討した。それらの導電率は、Caの場合が最も高く次いでSr、Mgの順となることが分かった。それらの値は3価カチオンをドーパントとする場合に比べて一般に低かった。そこで、その原因を調べるため、試料を電解質とした燃料電池の放電実験による電気化学的手法を用いて、酸化物イオン導電率とプロトン導電率をそれぞれ求めたところ、2価カチオンでドープした場合には、3価カチオンでドープした場合に比べて、両イオン種の導電率とも低下していることが明らかとなった。水蒸気の昇温脱離法と水素同位体を用いた水蒸気電解トレーサー実験により、プロトンの濃度と移動度とを見積もったところ、何れの値も3価カチオンでドープした試料の方が大きいことが分かった。 混合イオン導電体の機能性材料への応用の一環として、BaCe_<0.8>Y_<0.2>O_<3-α>を固体電解質としたケミカルコージェネレーション用均一ガス作動型燃料電池を考案し、メタン-空気混合ガスからメタノール合成ガスを製造しながら発電することが可能であることを実験室規模で立証できた。
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