研究課題/領域番号 |
05453096
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
荒井 康彦 九州大学, 工学部, 教授 (50005435)
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研究分担者 |
石田尾 徹 九州大学, 工学部, 助手 (90212901)
古屋 武 九州大学, 工学部, 助手 (10219131)
岩井 芳夫 九州大学, 工学部, 助教授 (80176528)
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キーワード | 高分子ゲル / ポリエチレングリコール / 体積相転移 / ゲル内外濃度 / 分子量効果 |
研究概要 |
高分子ゲルを選択的分離材料として、あるいは反応制御媒体として応用する際、高分子ゲル網目の孔径や、高分子ゲルと他の成分との親和力(分子間力)が重要な知見となる。平成5年度は、まず高分子ゲル外の成分を低分子から高分子(直鎖状のポリエチレングリコール(PEG);分子量200〜50000)を含む系に変え、高分子ゲルの体積挙動とゲル内外でのPEG分配挙動を測定した。その結果、PEG6000からPEG50000系では、ゲルは外部PEG濃度の増加とともになめらかな収縮挙動を示した。また、ゲル内のPEG濃度測定よりゲル内にPEG分子があまり入らないことがわかった。さらに、PEGが高分子量になるほど、ゲル体積、ゲル内濃度ともに小さい方に推移することがわかった。PEG1000系では、上述の系に比べてゲル内にPEG分子が多量に入るということがわかった。また、低分子系でみられる体積相転移現象が観察され、ゲル内のPEG濃度も体積相転移点付近で大きな変化がみられた。このことから、ゲル内のPEG濃度の大きな変化により体積相転移現象が引き起こされていると推測される。さらに、PEG200系では一度収縮したものが高濃度域でふたたび膨潤するというreentrant型の体積変化がみられた。このときゲル内のPEG濃度がゲル外のPEG濃度より大きくなっていることから、この再膨潤はPEG分子のゲル網目上への吸着のためであるという知見が得られた。これらの結果のうち、ゲルの体積データはMacromolecules(アメリカ化学会)に報告した。また、ゲル内外のPEG分配挙動は、京都で開催された「分子熱力学と分子シミュレーション」の国際シンポジウムで報告した。本年度は、直鎖状の高分子を用いての実験であったが、ゲル外水溶液の浸透圧によるゲル網目の粗密度の変化の知見が系統的に得られた。
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