研究概要 |
本研究は,生命現象の根幹に深く関係し,生体内において極めて重要な化学種である活性酸素種の中で最も根源的なスーパーオキシドイオン(O_2^-)のin vivo電気化学センサの実用化のための基礎研究を行うことを目的として行われ,本年度は次の成果を得た。 1.α-キノリンなどの界面活性剤による水銀電極表面の分子修飾によって,水溶液系でO_2のO_2^-への1電子還元およびH_2O_2への2電子還元を制御できることを見い出した。α-キノリンの電極表面ヘの単分子層分子配向吸着は電極電位に依存し,O_2/O_2^-レドックス対の酸化・還元反応が起こる0〜0.55Vvs.Ag/AgClでは,キノリン環が電極面に平行に配向(3〜4Aの厚さ)していることをin situ FTIR法で明らかにした。O_2^-の不均化反応(ジスムテーション)へのH_2O-D_2O溶媒同位体効果及び反応メカニズムを明らかにした。 2.種々の非プロトン性有機溶媒中で,O_2+e^-(〕 SY.dblarw. 〔)O_2^-に対する反応エントロピー変化(△S^○_<rc>)を評価し,各種溶媒パラメータとの相関性を調べた。特に,溶媒アクセプター数(AN)との間に,良い直線関係が成り立つことを見い出した:(△S^○_<rc>)=4.7-7.3AN(相関係数:0.97)。
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