研究概要 |
本研究は,生命現象の根幹に深く関係し,生体内において極めて重要な化学種である活性酸素種の中で最も根源的なスーパーオキシドイオン(O^-_2^-)のin vivo電気化学センサの実用化のための基礎研究を行うことを目的として行われ,本年度は次の成果を得た 1.キノリンのメチル及びフェニル誘導体界面活性剤(2-,4-,6-.7-及び8-メチルキノリン,2-フェニルキノリンなど)を含むアルカリ性水溶液中に,水銀吊り下げ電極(HMDE)を侵すと,電極表面上に“quasi-liquid"な疎水生マトリックス層が形成され,しかも酸素を溶解させ電解還元を行うと,O^-_2への1電子還元反応が起こることを見い出し,その確証実験を行った。 2.O^-_2の電解生成効率とその安定性(不均化反応のしにくさ)は,界面活性剤の濃度やメチル基及びフェニル基のキノリン環への導入位置に著しく依存し,O^-_2の安定性と電極/膜界面の電気二層容量との間に相関性が成り立つことを明らかにした。 3.O_2やO^-_2の溶存状態の濃度と拡散係数をそれぞれ独立にしかも同時に評価することが可能な方法として,“Hydrodynamic Chronocoulometry"の理論式を導き,実際の系に適用した。
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