研究課題/領域番号 |
05453119
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小久見 善八 京都大学, 工学部, 教授 (60110764)
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研究分担者 |
稲葉 稔 京都大学, 工学部, 助手 (80243046)
内本 喜晴 京都大学, 工学部, 助手 (50193909)
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キーワード | 電気化学気相成長法 / 安定化ジルコニア / 気相法 / 薄膜 / イオン伝導体 / 酸素センサー |
研究概要 |
本研究ではイオン導電性酸化物を用いる酸素センサーの薄膜化による低温作動化とミクロ化を目指し、電気化学気相成長法(EVD法)を用いて、電極となる金属上に数ミクロンから数十ミクロンの膜厚を有する緻密なイオン導電性薄膜を形成させる方法の開発を行うと同時に、反応機構の解明、および得られた薄膜の酸素センサーへの応用を目的としている。本年度は、まず石英ガラス管と3連の電気炉を用い、反応管中の温度を精密に制御可能な反応装置を作製し、ついで表面層を酸化したニッケル板およびニッケル線(直径100μm)上に電気化学気相成長法を用いてイットリア安定化ジルコニア(YSZ)薄膜の形成を試みた。基板として用いるニッケルの表面酸化層の膜厚は焼成温度と時間を変化させることで制御でき、ニッケル板の場合800℃10時間、ニッケル線では1200℃10時間空気中で焼成することによって、10μm程度の酸化ニッケル層を形成できることがわかった。これらの基板を用い、ZrCl_4、YCl_3を原料として、これらを加熱することによって気化させ、基板上の酸化ニッケルと反応させYSZ薄膜を形成した。得られる薄膜の組成は原料の加熱温度によって大きく影響を受け、ZrCl_4を220℃、YCl_3を755℃、基板を1000℃に加熱し、Ar中1Torrで1時間反応させることによって、イオン導電性の良好な8mol%YSZ薄膜(厚さ数μm程度)を得ることができた。得られた膜は緻密で、基板追従性も良好であり、ミクロな酸素センサーへとしての応用に適した形態を有していることがわかった。
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